『スイミー』や『あおくんときいろちゃん』などの絵本作家として有名なレオ・レオーニの作品展で、レオ・レオーニの世界に浸ってきました。
ユダヤ系で在ったために困難にも遭遇しましたが、その影響もあってか、彼のテーマは1人ひとりの違いを認め合い、戦争のない平和で調和のとれた世界を願うもので、争いではなく智恵を使い困難を乗り越えていくことや、お互いを尊重し調和をもたらす想いが作品に溢れていました。
今、誰かが決めた『普通』という基準で、そこから外れた人を非難したりジャッジすることが多くみられる社会的な雰囲気で、何か窮屈な感じを受ける機会が増えているような感じがします。
過去の研究で、「3つ子の魂百まで」といわれていることが事実である結果がでているのですが、特に感情の教育は生まれてから2歳半までがとても大事で、3歳では感情に対する敏感性は極端に低下します。
以前、お話ししたことのある、福岡のとある保育園の園長先生がお話しされていた「子どもの頃に、適切な親の愛情を受けていれば、成長の段階で横道にそれることはない」ということは、その通りということになります。
3歳までに感情的な側面を含め性格は形成されて学校教育では性格は変えることが出来ません。ただ、社会的な関わり方が変化することで、性格が変わったように見えることはありますが、根本的には性格は変わらないと言えるでしょう。
ですから、自分の周囲の人、相手を変えることは難しく、本人が変わろうと思い、氣づくことで自分の質のもたらし方、接し方などの社会的な関わり方と価値観の変化は起こります。
赤ちゃんの頃に両親や周りの方から愛されている、大事にされているという感覚を経験することが必要で、さらに、子どもの頃に、絵本の読み聞かせをするとよいといわれるのは、様々な物語を聞くことで、感情を刺激することができ、大切なことは何かということを探究する機会になるからです。また、親子のコミュニケーションをとる良い機会にもなります。
愛されている感覚は、子どもが必要としている愛され方ではなかったとき、そこに愛はなかったと思い内面の成長に影響を与え大人になってからも影響を受けていることも多いのですが、親からだけでなくパートナーや、周りの大人からでも親と同じような愛情を受け取れることでも満たしていくことは可能です。
また、自分で自分を愛することも重要になります。
ただ、愛される経験がないと愛することがどういうことか分かりませんので、専門の知識を持った人に相談することも必要になるでしょう。
絵本は、大人になってからも改めて読み返すと、新たな氣づきが起こったり、忘れていた感情を思い出したりすることができます。
子どもの頃は、何が大切なのかをしっかり持っていても、成長のプロセスで見失うこともありますし、日々のストレスで見失うこともあります。
頭ばかりを使って疲れているときこそ絵本を読むことで子どもの頃に戻り、本来の自分を思い出したり、自分を確認することが出来るでしょう。